チラシには明確な目的が必要です。見込み客の発見、初回購入の契機、再購入の促進などです。効率よく見込み客を獲得する有力な方法として、資料請求者や試供品請求者を集めることに目的を限定するチラシがあります。高額商品や健康食品などでよく使われる手法です。初回購入を目的としたチラシには、クーポンを印刷したものや、お試し価格を訴えるものもあります。再購入促進は、スーパーが行う価格訴求の大型電気店などの品揃え型のチラシが代表的なものです。
顧客の心理過程から考えると、チラシの役割は3つあります。一つ目は注目させること。二つ目は読ませて買う気を起こさせること。三つ目は行動を起こさせることです。注目させるポイントとしては、紙質とサイズ、見出し、全体構成があります。
光沢紙が多い中に入っているざら紙のチラシや、B3(B4サイズの倍)やその倍のB2サイズの紙は折られて厚くなるので目につきます。見出しはめくった瞬間に目に留まるように、上部に配置し、一目で何のチラシがわかりるような表現にして下さい。文字としては、赤や黄色、白地に黒、赤字の白抜きなどの目立つ色で、縦横3cm以上のサイズの字体が多く使われます。
全体構成としては、全体の色合いと商品の見せ方がポイントです。全体色では黄色や赤、青、ピンクなど原色に近いカラーが目立ちます。逆にほとんどのチラシがカラフルな中に、白や茶の素朴なチラシがあると目を引きます。
商品の見せ方としては、新商品の写真などで紙面半分以上を使うか、あるいは小さい写真を数多く配置すると注目されます。また、人間の本能として顔写真や顔のイラストには自然に目が行きます。チラシは表裏どちらから見られるか予想できませんので、両面とも注目が集まるようにデザインしてください。
読ませて買う気を起こさせるためには、まず文章がわかりやすいことが求められます。中学生でもわかる表現にして下さい。さらに、商品の特徴ではなく、顧客から見た利点や効果を表現すべきです。「実年齢より若く見られたくないですか」、「体験した人たちが短期間で全員やせています」などはよい文章です。また、使用者の体験談を入れて説得力を高める方法もあります。価格をアピールする場合、200円、1万円均一という切りのよい価格や、「半額」、「3割引」という表現が直感的に理解できます。
最後に行動を起こさせる工夫です。初回来店が目的なら、来店プレゼントや初回割引、無料体験によってきっかけ作りをします。特典の期間を限定することや、わかりやすい地図を入れることを忘れないで下さい。問い合わせて欲しい場合、手段はできる限り多様化しておきます。フリーダイヤルを大きく入れ、FAX、メールアドレスなども明記します。電話で話す抵抗をなくし、反応を高めるために、チラシに葉書を印刷しておく方法はよく使われています。その際「お申し込みは、右の専用注文ハガキ(切手不要)に必要事項を記入してお送り下さい」など、具体的な指示を入れておくと行動を誘導できます。
小さな会社が大手と対抗して成果を上げるには、ゲリラ的な手法が有効です。特定の商品群に絞り込んでアピールすることや、手書きのチラシで店主のこだわりを訴えるという手法などがあります。また、チラシだけではなく、DMや新聞広告を組み合わせて売上を確保していく手法も効果を高める有力な方法です。